どんな時に鍼灸院へ行けばよいのか?
わかりやすいように、具体例を挙げてご紹介していこうと思います。
今回のテーマは『首肩こり』。
鍼灸院と言えばコレ!
と言われる症状ですね。
「首肩こり」は俗称であって、疾患名ではないことは以前ブログで書きました。→『首肩こり』
ですが、わかりやすいように、首、肩、肩関節周辺、肩甲骨周りの筋肉痛、寝違い、重だるさ、硬直感、引きつりなどを、ここでも「首肩こり」と言っていきます。
首肩こりの原因にもさまざまあります。
最も多いのが長時間の手作業によって起こるものです。
内科疾患による肩こりもあります。
高血圧、低血圧、胆石、胃腸疾患などあると首肩こりを訴えることがあります。
その他に、かぜ、歯痛、精神神経系疾患、外傷の後遺症、眼・耳・鼻・口など頭部に疾患を抱えている場合、随伴して首肩こりを感じます。逆に首肩こりから、眼・耳・鼻・口など頭部に関わる疾患が現れることもあります。
今回は、経絡治療でみる首肩こりについて、タイプ別に書いて行こうと思います。
体質に合わせて治療しないと、かえって症状を悪化させることにもなります。
アナタどのタイプ?
30歳女性。
中学高校生の頃から肩こりがあったのだが、出産後さらに悪化し、頭痛で子どもの面倒をみるのも辛いときがある。授乳中で薬を飲みたくないので鍼で何とかしたい。
45歳女性。
若い頃から肩こりはひどかったのだが、最近は寒さでさらに悪化するように感じる。
長時間座りっぱなしの仕事で肩が重い。重いのは最近太ったせいかしら?(脾虚熱証)
28歳女性
胃腸の調子を整えたり、美容にも鍼灸がよいという話を聞いて気になっていたが、まずは肩や背中の重だるさをとりたい。
姿勢が悪くて、首や肩がこる。体全体が重たい感じがする。(脾虚寒証)
32歳女性
冷えや胃腸の症状もあるので、体をスッキリさせたい。
40歳女性
揉まれると悪化するので、鍼灸で改善したい。あまりの痛さに四十肩を心配している。
25歳女性
いつもはアトピー予防と便秘解消のために定期的に通っているが、昨日から風邪だった。
58歳女性
元気に孫の面倒をみたい。

当院で行っている経絡治療は、まず、予診票を書いて頂き、お話を聞きながら脈診、腹診を行って、上の図に合わせながらどのように症状が現れたのかを見ていきます。
精気の虚=五臓(肝、心、脾、肺、腎)が持っている精気の状態=その人の体質
病理の虚実=気・血・津液が足りないのか、流れが滞っているのか
寒熱の発生=病理の虚実によって、熱が発生しているのか、寒が発生しているのか
↑ここまでがその人の体質をみるときに必要となり、ここを治療することが根本治療(本治法)となります。
臓腑経絡に波及=病理の虚実、寒熱はどこに波及しているのか
病証=主訴
↑ここが患者さんが訴える症状になり、まず治療して欲しいところとなります(標治法)。
具体的な話は、それぞれのページに飛んでみてください。
ご紹介している例は実際の患者さまではなく、日々の臨床、勉強会で取り上げられた症例、参考文献をもとに書いた架空の人物です。(実際の症例報告は、同意を得た方のみ勉強会等で使わせていただいておりますが、個人情報となりますのでブログには上げておりません)
参考文献:
日本鍼灸医学(経絡治療・臨床編)経絡治療学会:編
日本鍼灸医学(経絡治療・基礎編)経絡治療学会:編
図解 よくわかる経絡治療講義 大上勝行:著 池田政一:校閲