首肩こり

こんにちは。

子どもを元気に、ママを笑顔にする鍼灸師おがわです。

 

鍼灸院へ行く理由に「首・肩のコリが辛くて」という方は多いかと思います。

当サロンでも、ほとんどの方が首や肩のコリを訴えられます。

コリが主訴の方もいらっしゃいますし、1番気になる症状があって、随伴症状として訴えられる方も。

自覚していなかったけど、触ったらガチガチ!という方も、たまに…。

 

本日のブログは首肩こりについてお話しようと思います。

「首肩こり」は疾患名ではありません。いわゆる俗称です。

ですが、わかりやすいように「首肩こり」という言葉を使って、説明していきたいと思います。

ここで取り上げる首肩こりとは、首、肩、肩関節周辺、肩甲骨周りの筋肉痛、寝違い、重だるさ、硬直感、引きつりなどです。

首や肩、肩関節、肩甲骨周りには多数の筋肉があり、そのどれが異常を起こしたための肩こりであるかを特定するのはかなり難しいです。

まぁ…どの動きが困難か?どこらへんに痛みがあるのか?によって、どの筋を痛めたのか?くらいは見当がつきますけどね…ホジホジ( ̄σ・・ ̄)

特に、鍼灸院へ来られる方の多くは、慢性的な首肩こりに悩まれて来院されるので、傷んでいる筋肉や腱、関節を見つけて、そこだけ治療するというのは難しいのではないでしょうか?

(急性の症状については、原因となっているポイントを見つけて取り除くと改善は早いです)

 

首肩こりの原因にもさまざまあります。

最も多いのが長時間の手作業によって起こるもの。

パソコンやスマホの操作、文字を書くなどの作業や勉強、読書、雑巾がけや何かを磨く作業、裁縫や編み物、ひたすら大量に野菜を刻む作業…などなど、いろいろありますね。

内科疾患による肩こりもあります。

高血圧、低血圧、胆石、胃腸疾患などあると首肩こりを訴えることがあります。

その他に、かぜ、歯痛、精神神経系疾患、外傷の後遺症、眼・耳・鼻・口など頭部に疾患を抱えている場合、随伴して首肩こりを感じます。逆に首肩こりから、眼・耳・鼻・口など頭部に関わる疾患が現れることもありますね。

 

西洋医学的な話は、お医者さんや柔道整復師の先生たちにお任せするとして、ここでは、東洋医学的な面から首肩こりのお話をします。

 

首肩こりは、経絡が流れている部位の筋に発生する運動器疾患です。

主に陽経の経絡に、気血津液の不足・停滞、寒熱の病理が発生することによって起こります。

また、上焦つまり胸にある臓(肺・心・心包)に熱が多くなることによってコリを訴えることもあります。

首肩は体の上の方、陰陽で言うと『陽』の部位にあるため、熱の停滞によってコリが起こることが多いです。

 

部屋を暖房しても、空気がきちんと循環していないと天井ばかり暖まって床は冷たいまま、というのはよくありますね。

体も巡るものがきちんと巡っていないと、同じことが起こるのです。

この巡っていない状態は気血津液の不足から発生し、気血津液の不足は、肝心脾肺腎つまり五臓のどこかが虚すことによって起こります。

気とは、生命活動を行う上でのエネルギー、動力源と思ってください。

血とは、西洋医学で言うところの血液と同じと思っていただいて大丈夫です。

津液とは、体のうるおい全般と思ってください。

ざっくりそんなイメージでお読みいただけるとわかりやすいかと思います。

 

督脈…正経十二経脈には含まれませんが、すべての陽経は大椎と交差しており、体に陽気を巡らせる要となる脈です。

ここの流れが悪くなると、後頚部、首の付け根にこりを感じます。

また外邪が侵入した時もここに強ばりを感じます。

太陽経…小腸経と膀胱経の経絡は広く浅く陽気が巡る場所なので、ここの流れが滞ると全身に陽気が巡らなくなります。

少陰経の収斂した気を広い範囲で発散させて降り注ぐ経絡でもありますので、ここの流れが滞ると寒気を感じることもあります。陰の収斂する力が弱いと、ここの巡りが悪くなります。

後頭部から後頚部にかけてのこり、痛みや引きつりとして感じます。

陽明経…体の前側を走る大腸経、胃経の経絡は、胃腸からの熱が滞りやすい場所でもあります。

胃腸の症状の悪化、食べ過ぎ、ストレス、お菓子を間食し過ぎ、お酒の飲み過ぎ…ということが多くなるとこりを感じる方は、このあたりの経絡に反応が出るのではないでしょうか。

合わせて、鼻や歯茎に関する症状、頬やまぶたのたるみが気になるということもあります。

肌肉はゆるんでいるのに、首肩こりを訴えるという方は、この経絡上に熱が停滞していることがあります。

首の前側や顎がこる、胸までこる、という方はこの経絡の滞りです。

少陽経…体の脇を通る三焦経・胆経の経絡は、最も熱が波及し、滞りやすいところです。

通りが狭くなる首、経絡が複雑に曲がっている側頭部で熱が停滞しやすくなります。

耳鳴り、めまいなどを訴える方が多いです。

首より少し外側のこり、肩甲骨内側のこり、耳周りのこりはこの経絡の滞りです。

実は陰の経絡も首を通っている支脈はあるのですが、運動器疾患は体表がメインになるので、そのあたりの細かい話は割愛します!!(←収拾付かなくなるからー💦)

 

ただ、上焦にある臓に問題が起こると、それにつながる経絡(陰の経絡)に首肩こりとして反応が出ることがあります。

 

心…不安や緊張感で、こころが落ち着かない。目の使い過ぎ。手の少陰心経がこります。

  脇の下、肘の内側、小指球がこっていませんか?

 

肺…普段首肩こりがひどくて呼吸が浅い、息苦しいと感じる。風邪をひいた後、咳が止まらない。手の太陰肺経がこります。

  鎖骨の下と肩関節の間、肘関節の外側よりやや内に入ったところ、母指球がこっていませんか?

 

心包…高血圧や動悸がする。のぼせやすい。手の厥陰心包経がこります。

   脇の下よりやや前や、掌の中心あたりがこっていませんか?

 

気血津液の流れが悪くなるために、これらの臓がしっかりうるおうことができず、充分な血によって栄養されず、気が滞ることによって発生した熱による症状です。

ちなみに、上焦に熱がなくなり冷えきってしまうと、鍼灸院へ行く行かないと言っていられるレベルの状態ではないことがほとんどなので、寒の状態はお話しません。

 

上の状態が起こる原因として

 

肝虚熱証…産後や月経後の血虚、目の使い過ぎ、過労などにより、血が充分に体を栄養できず、筋にうるおいがなくなった状態。筋が乾いて乾燥し、気が山火事のようになって風を巻き起こしているイメージです。

熱が停滞している経絡にある筋肉の慢性的な引きつりや痺れ、痙攣のような痛みを起こします。

耳鳴りやめまいを伴いやすいのもこの証です。

 

肝虚寒証…血虚、肝虚熱証がさらに進んで、収まる場所を失った気もどこかへ飛んで行ってしまった状態。

鎮火した後の焼け野原のイメージです。何も無くなってしまったので、冷えきっています。

それでも生きているということは、上焦に心臓を動かすためのは熱が残っているため、わずかな陽気が胸に停滞して、上焦で虚熱の症状を表します。

筋肉が引きつるというよりも、腱が引きつっている感じで、筋張った状態になりやすいです。

朝起きた時に手が痺れていたり、首を急に動かすと引きつって動かせなくなり、寝違えを起こしやすいのもこの証です。

 

脾虚熱証…長時間の座り仕事や手仕事、暴飲暴食、胃腸などの内臓疾患によって、痰湿が溜ることにより重だるい首肩こりを起こします。

主に陽明経に熱が停滞して首肩こりを起こします。

筋肉のひきつりはありませんが、硬めのボールを揉んでいるような感じになります。

肝虚証と違うのは、寝違えても首は動かせて痙攣のような引きつりはありません。

 

脾虚寒証…体質として胃腸が弱いために起こりますが、揉んでみても柔らかいのが特徴です。

これは肩周辺を流れている経絡が冷えるため、気血津液の流れが悪くなり動かすエネルギー不足となって首肩こりを感じるのです。

 

脾虚肝実証…脾虚熱証の熱が少陽経に行くと肝実となり、肩甲骨と肩甲骨の間のこりが加わります。

婦人科系疾患、更年期、外傷、暴飲暴食、過度のストレスなどから瘀血ができ、すべての陽経にこりができ、心経、心包経、肺経、任脈などの流れも悪くなっています。

肝実によるコリは筋肉が硬くなっているのが特徴です。紐が固く結ばれたような硬結ができます。

そのため、手のしびれや痛み、肩関節の痛み、腰痛、内臓疾患などが同時に現れていることが多いです。

 

肺虚熱証…急性熱病、つまりカゼを引いた時の証ですが、肺気の循環が悪いために陽気が停滞して、太陽経と陽明経がこることがあります。

特に皮膚が敏感な人が多いです。

筋肉や皮下組織のこりはなく、皮膚表面の緊張が主となります。

 

腎虚熱証…過労、老化などにより、体にうるおい=津液が不足することによって発生した熱が、胸(上焦)に昇ってきて首肩こりが起こります。

下焦の気が虚して熱が上昇するため、高血圧、動悸、喘息、糖尿病、のぼせ、甲状腺疾患などの症状を合わせ持っていることがあります。

肩を揉むと楽になりますが、揉み過ぎると血圧が高くなるので要注意です。(鍼は血圧を下げるのは得意です)

太陽経の皮下組織が全体的に硬くなっていることが多いのですが、硬結を形成することは少ないです。

 

 

経絡治療は脈診、腹診、問診によりどこの臓腑、経絡に問題があるのかを突き止め、病のある経絡に補瀉を行い、経絡の気血津液の流れを整えることにより、問題のある臓腑、経絡が治っていくのを助ける随証療法です。

よって、はじめに予診票を書いていただき、お話をお伺いしますが、そのときに首肩こりとは関係なさそうな話をします。それも上に挙げた証を決めるうえで必要な情報となるため、お聞きしております。

その後、脈診、腹診と行い、証が決まったら、それに合わせたツボを選び、鍼を当てて脈を調えていきます。

それから症状の出ている経絡、部位に対して鍼や灸を行っています。

 

督脈、太陽経、陽明経、少陽経の問題のある部位に、プスプスっと鍼をして灸をすれば、一時的に流れが良くなって首肩こりは改善します。

それで調子がよくなってしまう程度であれは、部分的な治療を行うだけで十分でしょう。

 

ですが、長い間首肩こりと付き合ってきた方、さまざまな随伴症状を持っている方、ちょっと無理をしたい方…は、部分的な治療では効果が長持ちしませんし、根本的な改善にはなりません。

臓腑の調子を整えるのは、食事や睡眠といった生活習慣の改善が1番効果的ですが、臓腑につながる経絡の流れを整えて、働きをUPしてあげることはできます。

鍼や灸をしたって、血や津液は増えませんよね?

血の材料、津液の材料となるものを体に取り込まないと…。

材料を取り込んだときに、きちんと気血津液が作られて、体に不要なものを排出できるように働かせる手伝いをする。それが鍼灸です。

 

鍼灸を定期的に受けて経絡の流れをスムーズにし臓腑の働きをUPさせることにより、根本的な改善や、快適に動ける状態をキープすることができるのです。

人間は必ず老化していきます。

でも、緩やかに老化するのか、急激に老化するのかは自分で選択することができるのです。

 

なので、こっている部位だけ一時しのぎに改善させるのではなく、体質から変えていくことをめざして、コツコツ通院していただけたらと思います。

通院していると、治りやすい症状から体が改善していくことを実感できるかと思います。

よくあるのが、鼻づまり・鼻炎、乾燥肌や湿疹、生理痛、便秘…などが改善するといったところでしょうか。

「最近頭痛は?」と聞かれて、「あら?最近痛くならない!」と気づく方もいらっしゃいます。

 

たかが首肩こり。されど首肩こり。

体を根本から見つめることで、快適に過ごせる体調管理をめざしましょう。

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