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首肩こり:加齢による肩こり

治療院探しの参考にしやすいように、具体例を挙げてご紹介しております。

子どもを元気に、ママを笑顔にする鍼灸師おがわです。

 

首肩こりにはさまざまなパターンがあることを、ご紹介しました⇒『首肩こり

 

では、一つ一つ詳しく見ていこうと思います。

齢だから…とあきらめつつも肩が辛い

58歳女性(初見2月)

主訴:年齢も年齢だからしょうがないとは思っているのだが、孫の面倒をみているとどうしても肩が辛く、娘に鍼灸院を勧められた。

 

脈は表面で強く打ってはいるが、強く按じると中がスカスカである。

下腹部に力がなく、臍の下の拍動が強く感じる。

 

ときどき血圧が高くなり、動悸やのぼせがあるとのことである。

顔に非常に汗をかきやすく、問診中もどんどん額から吹き出す汗をタオルで抑えながら話をしている。

 

昔は夜勤のある仕事をしていたが、子どもたちが大学を卒業し、就職したり結婚したため、そんなに頑張らなくてもいいかな、と感じ辞めた。しかし、何もしないでいるのはつまらないなと感じていたところへ、孫の世話をすることになってしまった。

 

一部分だけに硬結があるというよりは、背中や肩が全体的に硬くなっている感じである。

以前、あまりにも肩がこって辛いので、整体で揉んでもらったら、血圧が上がって気持ち悪くなり、それ以来揉んでもらうところへは怖くて行っていない。

鍼は血圧を下げることができると聞いて、それなら大丈夫だろうと思ったようである。

 

「娘も私に鍼灸を勧めるよりは、もう少し楽に孫と関われるようにしてくれたらいいのに…」とこぼしつつも、孫の面倒をみるのは好きなようである。

娘も仕事を頑張り、手がかかるのは今だけだと思うので、なんとか鍼灸で肩を楽にして頑張りたいと考えている。 

①五臓の精気の虚

腎の精気は、男性は8の倍数、女性は7の倍数で、充実し衰えていきます。

つまり、男性は40歳から、女性は35歳から衰えてくるのです。

 

②病因

孫の世話。

 

③病理の虚実

腎は体に必要なうるおい、つまり津液を蓄えて調節しているところです。加齢とともに津液は減っていきます。

 

④寒熱の発生

津液がなくなると、入れ物を失った気から熱が生まれ、その熱が暴走して上部に溜まります。

 

~ここまでを、部分治療に入る前に脈を整えるという形で、本治法をして治療していきます~

 

⑤臓腑経絡に波及

過労、老化などにより、津液が不足することによって発生した熱が、胸(上焦)に昇ってきて首肩こりが起こります。

下焦の気が虚して熱が上昇するため、高血圧、動悸、喘息、糖尿病、のぼせ、甲状腺疾患などの症状を合わせ持っていることがあります。

肩を揉むと楽になりますが、揉み過ぎると血圧が高くなるので要注意です。

太陽経の皮下組織が全体的に硬くなっていることが多いのですが、硬結を形成することは少ないです。

 

⑥病証

過労・老化などにより、体のうるおい=津液が不足して、熱が首や肩に停滞した状態。(腎虚熱証)

 

通院の目安:まだまだ齢だから…とあきらめる年齢ではありません。元気にお孫さんの面倒をみるなら、1~2週間に1度のペースで鍼灸院に通院して、快適に動ける身体になりましょう。

特に、血圧が安定しない時は、通っておいた方がよいでしょう。

血圧が安定しない方は、脈診とともに機械による血圧も測定していますので、日頃の健康チェックにもおすすめです。

(血圧の高い方に後頚部の刺鍼は危険ですので、安全のために血圧を測定することがあります)

少しは休む余裕があるのであれば、1カ月に1回でもよいかもしれません。

自分の快適に動けるペースで通院しましょう。

 

普段の養生:夜なかなか眠れなくても、体を横にして目を閉じましょう。目を閉じると血の消耗を防ぎ、横になると血が肝に戻りやすくなるために、症状の悪化を防げます。眠れないからとスマホやテレビ、本を見ると症状の悪化が進みます。

黒いもの(黒ゴマ、黒豆、海藻、魚介類、きのこ類など)をよく噛んで食べましょう。

サウナには入っていられないかと思いますが、長風呂、熱すぎるお風呂もNGです。

足の裏が火照るからと言って、裸足でいると症状が悪化します。足元は暖かくしましょう。


単純に1パターンのみの方もいれば、いろいろ合わせ持っていたり、季節や年齢、生活習慣によって変化していくのが人間です。

自分の不調の原因はなんだろう…?と思われましたら、はりきゅうアロマのおがわ.をお申込みください。

予約状況で2時間ほど空いている時間を選び、予約フォームからご予約ください。

※メール、LINE@、お電話での健康相談は、致しかねますのでご遠慮ください。


ご紹介している例は実際の患者さまではなく、日々の臨床、勉強会で取り上げられた症例、参考文献をもとに書いた架空の人物です。(実際の症例報告は、同意を得た方のみ勉強会等で使わせていただいておりますが、個人情報となりますのでブログには上げておりません)

 

参考文献:

日本鍼灸医学(経絡治療・臨床編)経絡治療学会:編

日本鍼灸医学(経絡治療・基礎編)経絡治療学会:編

図解 よくわかる経絡治療講義 大上勝行:著 池田政一:校閲

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