養生訓:丹田に力を入れる

江戸時代に書かれた貝原益軒の『養生訓』を読んで、日頃の養生に活かすシリーズ。

今回は、巻第二総論下、四十八。

 

へそから下三寸を丹田と言う。

 

ツボで言うと「関元」と言うツボになります。(下記図参照)

元気のない人は、ここを触ると力なく指が沈みそうになります。

触って診ると冷たかったり、肥満しやすい方も、要注意です。

 

この丹田には、人の体の生命の根本がある場所と言われています。

 

生命の根本、つまり先天の精、後天の精であり、人間が動くための陽気でもあります。

これは五行でいうところの「腎」にあたりますね。

 

斎藤孝先生は、

「日本の文化は腰肚文化だ」

とおっしゃいます。

着物の帯を締め、姿勢を正して正座をすれば、否応なしに丹田に力が入ります。

武士が戦うときも、職人が技を使うときも、座禅をするときも、丹田に力を入れます。

 

娘を預けていた認可外保育園では、お昼寝前や、何かを始める前は、正座をして心を落ち着かせていました。

「○○ちゃん、お布団へどうぞ」

と声を掛けられて、お昼寝を始める子は、体がぶれずにピシッと座っていられる子です。

体幹をキープできる=丹田に力が入る=腎がしっかりしている

ということなのでしょう。

保育園の先生たちは、東洋医学には詳しくはなかったと思いますが、節目節目で心を落ち着かせ、姿勢をキープできる力が、その子のこれからの成長に重要となってくることを、経験から知っていたのでしょうね。

 

鍼を打つときも、丹田に力を入れて、姿勢を正して行います。

そうしないと、術者の方が腰を痛めたり、手元がブレたりします。

武術をたしなむ鍼灸師が多い理由もわかります。

 

丹田の力が弱くなると、気が頭に昇ってのぼせ、胸がざわついて動悸、落ち着かない、怒りっぽくなる、体がだるい、といった症状がでます。

これは、更年期の女性に多く見られますね。

丹田の奥にあるのは子宮。

機能が落ちてホルモンバランスが乱れてくると丹田の力も弱くなってくるようです。

更年期特有の症状に悩まされる前に、丹田に力を入れて、姿勢を正し、しっかり深呼吸をしましょう。

 

年齢に関わらず、お腹を冷やすのはNGです。

しっかり丹田を引き締めて生活しましょう!


参考文献:

『図解 養生訓』斎藤 孝 著

『養生訓 (中公文庫) 』貝原 益軒 著 松田 道雄 訳


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