Q:鼻炎、中耳炎が治りません

西洋医学的に見た鼻炎とは

まずは鼻炎の症状を西洋医学的にお話します。

 

急性鼻炎…カゼの一症状として起こることが多く、くしゃみ、大量の漿液性鼻水、鼻づまりを呈します。

 

慢性鼻炎…鼻づまり、鼻水(中等の粘液性)、嗅覚障害、頭重感などを訴えます。原因は急性鼻炎からの移行などがあります。

 

アレルギー性鼻炎…IgE抗体によるⅠ型アレルギー。

季節性のものとしてはスギなどの抗原による花粉症、通年制のものとしてはダニやハウスダストなどの抗原によるものなどがあります。

三大症状としては、反復するくしゃみ、鼻づまり、鼻水があります。 

急性副鼻腔炎…カゼなどの急性鼻炎から、副鼻腔にブドウ球菌などの化膿菌が感染して起こります。

症状は悪臭を伴う膿性の鼻づまり、鼻水、発熱、頭痛など。

 

慢性副鼻腔炎…急性副鼻腔炎からの移行、アレルギーとの合併によるものがありますが、体質的要因によって起こるものが多いです。

症状は、膿性の鼻づまり、鼻水、頭重感などがありますが、急性のものより症状は軽いです。常に鼻づまりと悪臭があります。

 

観察ポイント

①発症が急性か慢性か?

②風邪をひいているかどうか?

③頭痛、発熱などの随伴症状の有無

④鼻汁の性状や色について

⑤季節性か通年性か?

⑥後頚部の圧痛や筋緊張の有無

⑦鼻周囲の圧痛の有無

⑧頭頂部の頭皮の浮腫みの有無。硬いと交感神経優位。

 

見分けるポイント

①反復するくしゃみ発作、水溶性の鼻水、鼻づまりがあるときは、アレルギー性鼻炎を疑い、通年性でみられる時はダニ・ハウスダストなどによるものを考え、季節性では花粉症を疑います。

②症状が急性で、膿性鼻水、発熱、頭痛などを伴うときは、急性副鼻腔炎を疑います。

③鼻づまりや血性の鼻水を呈し、頭痛、歯痛などの症状が現れ、徐々に増悪したときは腫瘍などを疑います。

 

カゼやウイルスによるもの→まずは病院へ。カゼに負けない体力作りを普段の養生と小児はりで。

アレルギーによるもの→アレルゲンの除去と体質改善。

 

東洋医学的に見て

胃腸が弱いことによる鼻炎→胃腸が弱いと身体に湿が溜まりやすくなる。腸管の炎症が鼻に波及する。

 

は呼吸を主り、鼻に開竅(かいきょう)しています。※開竅とは、臓腑の状態が現われる外界に通じる穴のことです。

皮膚と体のバリア機能、うるおいの散布に関与し、肺の機能が低下すれば、皮膚の乾燥や湿疹、カゼを引きやすくなったり寒がりになります。

 

肺と大腸は表裏関係にあります。

は体に不要となった二酸化炭素を出しています。

大腸は体に不要となったゴミを出しています。

どちらも不要なものの排出に関わります。

 

腸に炎症が起きて飛び火すると、

・鼻に波及して、鼻炎。

・呼吸器に波及して、喘息

・皮膚に波及して、アトピー

 

溜まった老廃物がきちんと出口から出せないと、

・鼻に出口を求めて、鼻水

・呼吸器に出口を求めて、痰

・皮膚に出口を求めて、ジクジクの汁

 

と、なります。

 

とくに、胃腸がまだ丈夫に発達していないうちから、糖分の取り過ぎや、冷たいものの取り過ぎ、清涼飲料水を常にチビチビと飲んでいるような生活は鼻炎になりやすいです。

 

体は常に新鮮な栄養や水分、空気を取り入れ、自分の体に必要な物と不必要なものを分別し、必要のないゴミは体の外へ出そうとします。

外界に面しているのは何も、皮膚だけではないのです。

正規のルートから出せなければ、出せるところからゴミを出そうとするのです。

それでも出せなかったら…溜まって発酵し、熱を持ち炎症を起こし、腫瘍化…。

 

 

さらに悪化すると…中耳炎

は耳に開竅しています。

耳もまた、外界に開いている穴なのです。

耳管を通して鼻と繋がっています。

 

溢れて鼻からも出しきれなかったら、副鼻腔に溜まって炎症、さらにあふれて中耳炎となります。

 

急性中耳炎…上咽頭の細菌やウィルスが耳管を経由して中耳腔に感染して発症します。

子供は、大人と比べて耳管が太く傾きがないので感染を起こしやすいのです。

急性中耳炎の場合は、感覚が敏感な鼓膜に炎症が広がるため、激しい痛みを伴います。

 

浸出性中耳炎…耳管機能が低下していると膿の排泄が出来なくなります。

中耳粘膜の腫脹が続いていると粘膜からの浸出液の分泌が継続し中耳腔にたまっていきます。

鼓膜に炎症がないため、発症に気付かないこともあります。

風邪の後にやたらと耳を気にする、話しかけても聞こえていない時がある、という時は放って置かずに耳鼻科を受診しましょう。

 

中耳炎は2歳までが起こりやすい傾向にあります。

10歳を過ぎると自然に治っていく場合が多いですが、放置すると治りにくくなり、癒着性中耳炎や真珠腫性中耳炎などの治りにくく重篤な疾患に移行するおそれがあります。

初期に十分な治療を行っていると反復しずらくなり、治りやすくなるので、中耳炎で痛みなどの症状が無くなっても、自己判断で治療を中止しないようにしてください。

 

うちの息子も1歳になる前に、鼻水がとまらず耳鼻科を受診したところ、滲出性中耳炎と言われました。

しばらく通院したのですが、夏に毎日外で遊ばせているうちに丈夫になったのか、それ以来滲出性中耳炎にならなくなりました。

 

小児はりができること

まずは随伴症状から治療していきます。

頭痛、肩こり、イライラ、チック、口呼吸によるノドの炎症や虫歯、呼吸器系疾患、皮膚の炎症や胃腸障害など、軽い症状から改善していきます。

 

飲食物をしっかり消化吸収し、不要なものを体に溜め込まず二便(お小水と大便)として排出できる体にします。

そうすることで体力がつき、鼻炎、中耳炎から卒業できます。

 

症状の重さや随伴症状の多さによって、治る速さに個人差はあります。

鼻炎、中耳炎がなかなか治らずにお困りのお子さまは、体質改善と随伴症状の緩和を目的に小児はりを受けられることをお勧めします。

病院での治療は自己判断でやめてしまわずに、継続してくださいね。