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コーヒーは冷えるのか?

寝覚めの1杯は緑茶、鍼灸師おがわです。

 

今回のお話は、コーヒーについて。

 

「コーヒーは体を冷やす」

という話をよく聞きますが、本当にそうなのでしょうか?

みなさま、アイスコーヒーを飲んだら冷えたと感じるかと思いますが、ホットコーヒーを飲んでも冷えると感じますか?

私の場合、朝コーヒーを飲むと体が温まって動きやすくなり、夕方飲むとのぼせやすくなります。調子が悪いときに飲むと手湿疹が悪化することがあります。これは、冷えた状態と言えるのでしょうか?

 

コーヒーには「血行促進」の働きがあるため、実は飲み方によっては体を温める効果があります。

 

ただし、血行促進の作用があっても、氷の入ったアイスコーヒーは体を冷やしてしまいますよ!

 

◆◆◆コーヒーが体を冷やす原因その①:砂糖◆◆◆

体を冷やす原因として考えられるのはお砂糖です。

コーヒーには砂糖入れて飲む、という方もいらっしゃるかと思います。

白砂糖は血糖値を急激に上昇させます。すると上がり過ぎた血糖値を下げるためにインスリンが大量に放出されます。

今度は急激に血糖値が低下します。その時に体温も低下させてしまうため、砂糖の摂取は体の冷えへと繋がってしまうのです。

白砂糖の変わりに「黒糖、ハチミツ、メープルシロップ、てんさい糖」などを使用すると、血糖値の急激な上昇と低下を抑えることができます。

冷えが気になる方は、砂糖を控えたり、体を冷やしにくい甘味料を使用しましょう。

 

◆◆◆コーヒーが体を冷やす原因その②:カフェインが交感神経を刺激◆◆◆

カフェインには、血行を促進して体を温める働きもあるのですが、過剰に摂取してしまうと交感神経を刺激し、血管を収縮させます。

血管が収縮すると四肢末端の血流が悪くなり手足が冷えます。

特に手足が冷えやすくしもやけになりやすい人は、カフェインの摂り過ぎに気を付けましょう。

 

◆◆◆コーヒーが体を冷やす原因その③:カフェインの利尿作用◆◆◆

カフェインには利尿作用があります。体から尿として水分を排出すると、熱も一緒に奪うことになります。

キュウリやスイカといった夏野菜は利尿作用のある食品の代表選手ですが、夏の時期にこのような野菜を取ると、体に溜まった熱を冷まし、余分な水分を排出してくれるのでむくみ対策にもなります。

カフェインにも同じような働きがあるので、ホットコーヒーであっても、トイレの回数が増えると尿として熱が奪われるということになります。トイレの回数が増えすぎない程度に飲みましょう。

 

 

冷えが気になる方は、以上のことに気を付けてホットでコーヒーを飲めば、冷えることを気にする必要はありません。

 

 

コーヒーはうまく活用すれば、気虚・気滞・痰湿・瘀血タイプの不調を抱えている方の強い味方になります。

では、コーヒーの効果をもう少し書いて行きましょう。

 

◇◇◇交感神経を刺激◇◇◇

冷える原因にも書いた、交感神経を刺激する働き。

交感神経は体を活発に動かそうとする神経です。

交感神経が興奮すると、内臓を働かせる副交感神経を抑えます。

四肢末端や体表に近い血管を収縮させることによって、体内や筋肉に血液をたくさん送ります。

すると血液は暖かいので体の中心部は温まり、手足の先は冷えます。

つまりコーヒーを飲むと手足は冷たくなるけど、体内の温度は逆に上昇するのです。

 

◇◇◇代謝を促進◇◇◇

カフェインには、代謝を促進する作用があります。

代謝とは、体の中で必要な物質の合成や分解を行うことで、この分解を行う際に熱が生まれます。

なので代謝が良くなると体温が上昇すると言われています。

 

だからといって、たくさん飲めば飲むほど代謝がUPしてダイエットになる!というわけではありませんから程々にしてくださいね。(脂肪がガンガン燃えるくらいコーヒーで代謝がUPしたら、のぼせたりほてったり、胸焼けして大変だと思うのですが…)

 

・・・というわけで、コーヒーは冷えるし、温まる飲み物ということになりますね。

 

コーヒーは陰性だから、身体に悪いとおっしゃる方は、マクロビを学んでいる方に多いように感じます。

いろいろと調べてみると、コーヒーは中医学系の薬膳では「平」、温めも冷やしもしないものに分類されるようです。

私も食事に関しては中医学系で、マクロビはわかりません。

東洋医学を勉強していると陰も陽も大切で、私くらいの年齢になってくると、「ホント陰って貴重!大事にしなくちゃ~」と感じる不調がチラホラ出てきます。

日本人は「陰」に対してマイナスイメージが強く、ついつい「控えなくては」、と感じているのでは…と思うこともあります。

 

それでも、昔から「コーヒーを飲みすぎると身体に悪い。」という話を良く聞きます。

カフェインの摂り過ぎは睡眠の質を悪くしたり、胃の粘膜を痛めるため、体が弱っていて休息が必要な人には向いていためではないでしょうか?

ゆっくり休まなければいけないような状態の人が、コーヒーを飲んでまで活性化させるのは……おすすめしません。

 

◇◇◇ストレス解消◇◇◇

コーヒーの香りには「ストレス解消の働きがある」という研究もあるようです。

アロマの働きでもそうですが、コーヒーは何と言ってもあの香りが良くて飲んでいる人が多いのではないでしょうか?

好きな香りは、大脳辺縁系という脳の深い部分を刺激してくれます。(大脳辺縁系を刺激するとどうなるのか?という話に興味のある方は、香りの作用のページをご覧ください) 

 

◇◇◇陰性は引き締め◇◇◇

コーヒーを「陰性」というならば、の話です。

陰性であるコーヒーを飲むと、体の力が抜けてリラックスする。コーヒーが体を緩めてくれる。

と、書いてある文も見かけましたが、「陰性」は緩めるのではなく、収斂、引き締め、です。

コーヒーが陰性であるならば、「緩めてリラックス」というよりは、「引き締めてリフレッシュ」と言った方が、納得できます。

緩めてリラックスさせるのは、色体表の五味で言うところの「甘」の性質なので、「緩めてリラックス」はお砂糖の働きでは…?

気を巡らせて発散させるためには、まずはギュッと収斂させる必要があります。

コーヒーの苦味でギュッと収斂し、交感神経を刺激するカフェインの働きで気を発散させるのであれば、朝コーヒーを飲んだ後に頭がシャキッとして体が動くようになるのも、納得がいく話です。

 

 

~~~東洋医学からみて、コーヒーがおススメのタイプ~~~ 

○気が足りていなくて、動く気になれない気虚タイプさん

・元気が出ない

・だるくてやる気がでない

・声が小さい

・朝、起きられない

・食後に眠くなる

気が足りていなくて巡っていないので、朝、活動前にコーヒーでカフェイン補給を。

コーヒーの香りが気を補ってくれます。

 

○元気はあるはずなのに、詰まった感じがして動けない気滞タイプさん

・ストレスが多い

・イライラする

・緊張が強い

・ため息が出る

・喉や胸に何か詰まっているような感じがする

気が巡らず停滞しているので、仕事や家事の息抜きに香りを楽しみながらコーヒーを。

コーヒーを飲んでも解消されないくらいイライラしている時は、軽く運動しましょう。飲み過ぎるとのぼせる可能性もあります。

 

気虚・気滞タイプの人に、コーヒーはおすすめです。

ただし寒がりで冷えが強い方、胃が弱いタイプの方は飲みすぎに要注意が必要です。

 

痰湿タイプ

・むくみ

・お腹がゆるい

・お腹がチャポチャポ音がする

・鼻水や鼻づまりがある

・頭や肩が重だるい

体に余分な水分が溜まりすぎている水はけの悪い人は、暖かいコーヒーを飲んで、コーヒーの利尿作用により、余分な水分を出してしまいましょう。

ただし、食が細い、胸焼けをしやすい、下痢と便秘を繰り返す、胃が痛い、という、脾虚タイプさんは無理にコーヒーを飲まなくても、飲んでいる水分全体量を見直してみましょう。体に余るほども水分を取らない事の方が大事です。

 

瘀血タイプ

・シミや肝斑がある

・目の下にクマができやすい

・ガチガチに硬い肩こり

・生理のとき、経血に塊がある

・下腹部が冷えて、ときどき刺すように痛む

・掌の母指球が紫色

交感神経を刺激して、末端の血管を引き締めることにより、血の流れが変わります。

血が流れないから瘀血になるのであって、コーヒーの力を借りて血を流してあげればよいのです。

コーヒーの力を借りて、末端の血管を引き締めた後は、しっかりリラックスして血管を緩めてあげることも必要です。

なるべく朝から日中の時間にコーヒーを飲み、夕方以降は控えて体をリラックスさせてあげましょう。

 

栄養ドリンクで大量のカフェインと糖分をとるよりも、好きなコーヒーで香りを楽しみながらコーヒーを飲む方が、私は体におすすめです。

カフェインを摂っても元気になれないくらい疲労の激しい方、胃腸が疲れている方は、コーヒーに頼る前にまず、休みましょう。

 

 

「冷えるから健康によくない」

「胃を痛めるからダメ」

と思いながらコーヒーを飲むのではなく、自分の体が心地よくなるのか、逆に調子悪くなるのか、自分の体と相談しながら飲みましょう。

もちろん、嫌いなら飲む必要はありません。

健康にいいから!元気になるから!と言って、薬のように飲まされる必要もありません。

調子悪くなるなら控えればいいし、私のように朝食後に飲むと体が動きやすいから飲む、というのもありです。

(手湿疹が悪化してきたから午後のコーヒーは控えようかな、と思っているのに主人が入れてくれたから飲んじゃった…という飲み方はNGですけどね)

 

体調が良くなると、自分に合っているものなのか?合っていないものなのか?が、わかりやすくなります。

チョコやアイスを欲しがる小さなお子さんが時々いらっしゃいますが、

「治ったら食べていいけど、治るまではちょっとがまんしてね」

と言って、控えてもらうことがあります。

すると、症状が落ち着いてくるとともに、今まで大好きだったチョコやアイスを欲しがらなくなる、ということがよくあります。

不調真っ最中!!というときは、自分が何で悪化しているのかがわからないのです。

 

自分はどれだけコーヒーを飲んでいいのか?

何を食べて、何を控えたらいいのか?

わからなくなっているときは、当サロンにお越しください。

自分メンテナンスに長く通われている方は、自分の体との対話がお上手です。

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