養生訓:病院と薬と鍼灸と

江戸時代に書かれた貝原益軒の『養生訓』を読んで、日頃の養生に活かすシリーズ。

今回は、巻第一総論上、十五。

 

「およそ薬と鍼灸を使うのは、やむをえない下策である」

と、鍼灸師の私が読むと、グサッと突き刺さる言葉で始まります。

ここで言う「薬と鍼灸」は、江戸時代なので、現代に置換えると「病院」と置き換えていいと思います。

昔の医療は鍼灸と薬草くらいしかありませんでしたから。

 

養生をしていたけれども、やむをえず病気になってしまった場合、病院へ行って適切な治療を受け、薬を処方してもらうことは必要です。

しかし、養生もしないで病気になり、病院へ行くことになってしまうのは確かに下策です。

養生訓の中では、食べ過ぎに気を付け、座ってばかり寝てばかりいないで程よく体を動かし、心穏やかに過ごせば、元気でいられるとあります。

 

今の時代、いろんな健康法があり、健康情報も流れています。

ですが、一時のブームで終わってしまうもの、その人の体に合っていないもの…玉石混淆です。

そこで、鍼灸院を活用してほしいなと思うのです。

自分がどんな体質で、どんなものを摂り過ぎればどういう症状がでるのか、どんな運動をしたらよいのか、どのように体を休めたらいいのか、ということを、望診、聞診、問診、切診をしてアドバイスすることができます。

 

鍼灸院は不養生だったために病気になったらから行く…という存在でもあるかもしれません。

貝原益軒の言うように、病気でもないのに鍼灸院へ行けば、元気を減らし気をのぼらせてしまうだけかもしれません。

 

ただ、病気にならないように、その人の体質と生活の中に取り入れられそうな養生をアドバイスしながら、どうしても弱い部分をサポートしてくれる鍼灸院もあります。

病気になりたくない方は、そういう鍼灸院を『かかりつけ鍼灸院』として決めておくと、健康保険・介護保険の無駄遣いをすることなく、健康に100歳まで現役でいられるかもしれません。

健康保険、介護保険も限りがあります。

湯水のように使うのではなく(湯水だってじゃぶじゃぶ使ったらなくなっちゃうけどね!)、必要な人のところに回るように、不必要なものを抑えられると、自分の体にも、社会にも、優しいですよね。

 

鍼灸師がおすすめする…とは言っても、「売上UPのために、このサプリを売りましょう!」「経営のためにこの健康器具を販売しましょう」という意図が見え隠れする健康法のアドバイスは、ここでいう「自分にあった養生法を鍼灸師から教えてもらってね」という話とは違いますので、お気を付けください。


参考文献:

『図解 養生訓』斎藤 孝 著

『養生訓 (中公文庫) 』貝原 益軒 著 松田 道雄 訳


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