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生理痛:終わると鈍い腹痛と疲労感

治療院探しの参考にしやすいように、具体例を挙げてご紹介しております。

子どもを元気に、ママを笑顔にする鍼灸師おがわです。

 

生理痛にはさまざまなパターンがあることを、ご紹介しました⇒『生理痛

 

では、一つ一つ詳しく見ていこうと思います。

終わり頃に、お腹が空虚な感じがして痛む

32歳女性(初見8月)

主訴:生理が終わると鈍い腹痛と疲労感がある。

生理周期が広く、毎月来るわけではないが、来たときの疲労感がハンパない。

友人が「鍼は?」というので、試してみようと思い来院。

 

喋るのもおっくうなのか、口数は少ない。

色白なのだが、全体的に黄色いセロハンをかけたように黄ぐすみがある。

手足が細く、足の裏が湿って冷たい。

細いのだが、くるぶし周りを触ってみるとむくみがある。

脈は沈んでいてわかりにくい。

 

生理が始まると貧血が悪化し、臍の下が空っぽになったように感じる。

激しい痛みではないのだが、シクシク痛む。

温めると楽になるので、生理中は常にカイロが必需品。

よくお腹を壊すので常に腹巻はしている。

 

疲れやすいのだが、夜、早めにベッドに入ってもなかなか眠れない。

湿度が高くなると調子が悪く、台風や低気圧がくるとめまいがして、だるくて起きられないときもある。

朝ごはんをお粥にしてから、少しは調子がよくなったのだが、揚げ物や牛肉を食べられなくなった。

 

結婚して1年になるのだか、なかなか子どもができず、そろそろ婦人科へ行ってみようかと考えている。

もし、鍼灸で体質が変わるのであれば、続けて通ってみたいとのことであった。

①五臓の精気の虚

もともと胃腸が丈夫ではない人は、脾の精気が虚していることがほとんどです。

 

②病因

特に冷えるような生活もしていないことから、もともと胃腸は丈夫ではなく、胃腸が冷えやすい体質と考えられます。

そこに、月経によって、体を温めて栄養する血が流れ出ることによって、体内を巡るものが不足し痛みを発生させます。

 

③病理の虚実

胃腸の陽気がないために血を生成できない上に、月経による血の消耗。

 

④寒熱の発生

消化吸収に使うエネルギ―も足りない状態なので、冷えています。

 

~ここまでを、部分治療に入る前に脈を整えるという形で、本治法をして治療していきます~

 

⑤臓腑経絡に波及

肝虚寒証で述べた状態は外界からも冷えが侵入していましたが、このタイプの人は自分で陽気が作れないために冷えているので、流れの不足している所で弱い痛みを発生させます。

全体的に巡るものが足りていません。

そのため、体の中が空虚な感じがしてシクシク痛むのです。

エネルギーが足りていないので強い痛みにはなりませんが、だるさや疲労感を伴います。

かろうじて胸にはまだ陽気があるので、動悸やめまいが起こります。

全身を巡るだけの陽気がないので、わずかな陽気が上に昇って、顔や頭がのぼせたようになる人もいます。

 

⑥病証

 飲食物を体に必要な材料に化かす力がないので、月経で消耗してしまうと、巡るものが足りなくなり栄養されていない状態(脾虚寒証)

 

 

妊娠には陽気が必要です。

排卵した後、黄体ホルモンが出て高温期となりますが、この黄体ホルモンがきちんと分泌されないと子宮内膜が厚くならず、赤ちゃんを迎え入れるベッドができません。

陽虚証の人は、この高温期になかなか体温が高くならないということもあります。

(不妊の原因は、人によって違いますが、陽気が足りていない人は多いです)

ただし器質的な疾患がないかどうかだけは、病院で確認した方がよいです。

特に問題がない場合、パートナーにも特に原因のない場合は、鍼灸治療で体質改善をおすすめします。

 

鍼灸を受けた後、気持ちよくお腹が空くことが多いです。

はじめの2,3ヶ月は、1~2週間に1回のペースで通院し、体の調子が整ってきたら月に1,2回のペースで胃腸の働きを調えるために通いましょう。

もともとそんなに丈夫な体質ではないので、月に1度は自分の体調を見つめ直す時間を作ることが、長く健康でいられるコツとなります。

 

普段の養生:足の裏、足首を冷やさない。

冷たいもの、生ものを食べ過ぎない。

眠れなくても、22時までにはベッドに入って体を横にする。

夏は窓越しでもいいので、背中や足の裏に日光浴をして陽気を取り入れる。


単純に1パターンのみの方もいれば、いろいろ合わせ持っていたり、季節や年齢、生活習慣によって変化していくのが人間です。

自分の不調の原因はなんだろう…?と思われましたら、はりきゅうアロマのおがわ.をお申込みください。

予約状況で2時間ほど空いている時間を選び、予約フォームからご予約ください。

※メール、LINE@、お電話での健康相談は、致しかねますのでご遠慮ください。


ご紹介している例は実際の患者さまではなく、日々の臨床、勉強会で取り上げられた症例、参考文献をもとに書いた架空の人物です。(実際の症例報告は、同意を得た方のみ勉強会等で使わせていただいておりますが、個人情報となりますのでブログには上げておりません)

 

参考文献:

日本鍼灸医学(経絡治療・臨床編)経絡治療学会:編

日本鍼灸医学(経絡治療・基礎編)経絡治療学会:編

図解 よくわかる経絡治療講義 大上勝行:著 池田政一:校閲

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