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IT眼症:目が開けられない

治療院探しの参考にしやすいように、具体例を挙げてご紹介しております。

子どもを元気に、ママを笑顔にする鍼灸師おがわです。

 目の疲れ、IT眼症にはさまざまなパターンがあることを、ご紹介しました⇒『目の疲れ、IT眼症

 

では、一つ一つ詳しく見ていこうと思います。

体が冷えて、目が開かなくなってくる

38歳女性(初見8月)

主訴:仕事をしていると疲れてだんだん目が開かなくなってくる。冷え。肩こり。

お灸をしたらいいのではないか?と思い来院。

 

手足が真っ白で、細く筋張っている。

ハキハキしているが、そんなに元気がある感じではない。

脈は沈んでわかりにくい。細い脈が骨のあたりでピンピン弾んでいるのがかろうじてわかる。

お腹を触ると、臍の左側が脈打っていた。

 

お腹は多少暖かいが、手足は非常に冷たかった。

 

お昼はお腹がすかないので、おにぎりを1個食べ、暖かいお茶を飲んで終わる。

休み時間はとにかく昼寝をすることと、寒い職場を脱出して暖まるために使う。

職場はパソコンだらけなので、機械に熱がこもらないようクーラーがきつめにかかっている。

パソコン2台の画面を見ながら、1日中仕事をしているのでとにかく目が辛い。

夕方になると開けていられなくなるとのことである。

 

夕方、仕事が終わって外に出ると暖かさでホッとしたのだが、今年は天気が悪い日が多く暖まらない。

おまけに、最近忙しくて帰宅も夜になっていた。

ようやく仕事が落ち着いたので、来院した。

①五臓の精気の虚

目を使い過ぎたことにより肝血の消耗が激しく、肝の精気が虚した状態です。

 

②病因

目の過労とクーラーによる冷え

 

③病理の虚実

目を酷使する生活で血を消耗し、胃腸が冷えたことで血の材料が吸収できなくなり、血も陽気も不足した状態です。

 

④寒熱の発生

陽気を含んでいる血が足りないところへ、さらに冷やされているので、陽気不足と冷えです。

 

~ここまでを、部分治療に入る前に脈を整えるという形で、本治法をして治療していきます~

 

⑤臓腑経絡に波及

目は肝が分配してくれる血によって栄養され、陽気によって目を開けてものを見ることができるのですが、肝血が不足し、それでも血を消耗し続けると、陽気すらもなくなって冷えてきます。そのため、目を開けていられなくなるのです。

胃腸は、陽気がないと飲食物を消化吸収するための働きができません。エネルギーを消耗したり、体を冷やして陽気が奪われていくと消化吸収するためのエネルギ―すらもなくなってきて、さらに気血の不足が進みます。

冷え症なのにお肌がカサカサしているような人は、飲食物から体に必要なうるおい分を作れない人が多いです。

胸にだけ熱が残っている状態なので、心が頑張り過ぎて空回りし動悸を起こしたり、不安になって夜眠れなくなります。

 

⑥病証

過労による血の不足と、冷えすぎによる消化吸収能力の低下による、肝虚寒証。

これがさらに進むと、老化の症状が表れ、腎虚となります。

 

出産直後、手術や大怪我で大量出血した後も、この肝虚寒証になっていることが多いです。

その状態で、テレビやスマホ、読書などで貴重な血を使うようなことをすると、後々ひどい頭痛やめまいなどに悩まされる原因となりますので、出産直後、手術直後、大怪我の後はしっかり栄養をとって体を休ませることを優先させましょう。

 

通院の目安

仕事が忙しかった後、体を早く回復させるために鍼灸をおすすめします。

特に冷房がキツイ時期は1~2週間おきに来院し、お灸でしっかりと温めて胃腸の働きをUPさせましょう。

いろいろとオプションをつけ足して長時間施術を受けると、かえって疲れてしまうタイプです。鍼灸のみを受けて、その後は自宅で暖かいものを食べてゆっくり休みましょう。

 

普段の養生:お天気の良い日は窓越しでもいいので、服の上から背中だけでも、掌や足の裏だけでも、日向ぼっこをしましょう。

湯船につかって、クーラーによって体に侵入した寒邪を追い出しましょう。

暖かくて消化によいものを食べたり飲んだりしましょう。

仕事の合間にき、暖かいコーヒーや紅茶を飲みながら休憩しましょう。

夜は10時までに寝ましょう。


単純に1パターンのみの方もいれば、いろいろ合わせ持っていたり、季節や年齢、生活習慣によって変化していくのが人間です。

自分の不調の原因はなんだろう…?と思われましたら、はりきゅうアロマのおがわ.をお申込みください。

予約状況で2時間ほど空いている時間を選び、予約フォームからご予約ください。

※メール、LINE@、お電話での健康相談は、致しかねますのでご遠慮ください。


ご紹介している例は実際の患者さまではなく、日々の臨床、勉強会で取り上げられた症例、参考文献をもとに書いた架空の人物です。(実際の症例報告は、同意を得た方のみ勉強会等で使わせていただいておりますが、個人情報となりますのでブログには上げておりません)

 

参考文献:

日本鍼灸医学(経絡治療・臨床編)経絡治療学会:編

日本鍼灸医学(経絡治療・基礎編)経絡治療学会:編

図解 よくわかる経絡治療講義 大上勝行:著 池田政一:校閲

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